セメント工場における下水汚泥有効利用技術
太平洋エンジニアリング株式会社
技術・サービス概要
下水汚泥を最大限に利用しながら、下水汚泥に含まれる水分による影響(熱損失、生産損失、不安定な運転)を最小限に抑えることが可能。
目的
下水汚泥は大量の水を含んでいるが、乾燥後はかなりの量の可燃物や灰が残る。
セメント産業は、これを高温の廃熱を利用して無害かつ安全に処理すると同時に、可燃物だけでなく灰分も原料として利用することができる。
下水汚泥の有効利用のため、太平洋エンジニアリング(株)と太平洋セメント(株)は、予熱されたセメント原料を利用した画期的な乾燥技術を開発した。
特徴
1.低投資コスト・省設置スペース
・高性能電熱によりコンパクトなシステムが実現可能。
・低投資、省スペース、短時間での設置が可能なため、迅速なコスト回収が可能。
2.安定したキルンの運転・クリンカ生産への影響の最小化
・乾燥した下水汚泥をキルンに供給するため、水分による付着や体積増加がない。
そのためキルンの安定操業が維持できる。直接(湿式)スラッジ方式と比較して、クリンカ生産量の減少がほとんどない。
3.エネルギー消費量が少ない
・仮焼炉に水分が供給されないため、燃料の追加消費を回避でき、下水汚泥の熱量も十分に活用できる。
4.脱硝(De NOx)効果(低コスト燃料への転換)
・下水汚泥乾燥からの排気はボトムサイクロンの出口に導入する。下水汚泥に含まれるアンモニアは脱硝剤として利用される。リアクターに尿素を添加することにより、さらなる脱硝が可能。
5.安全性
・リアクターは空気(酸素)を取り込まない構造になっているため、爆発の心配がなく安全な運転が可能。
効果
このシステムは、200t/dの下水汚泥を効率的に水分分離(水分量5%未満)して処理することができる。
その結果、下水汚泥に含まれる水分による影響(熱損失、生産損失、不安定な運転)を最小限に抑え、下水汚泥を最大限に活用することができる。
規制対象物質
展開可能国
- 日本
- 東南アジア
- 中央、南アジア
- 中国、東アジア
- 中東
- 欧米
- 中南米
- アセアン諸国
インドネシア,カンボジア,シンガポール,タイ,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,マレーシア,ミャンマー,ラオス
導入事例
日本、中国
視察可能な導入先
中国
この技術が貢献するSDGs
- 6. 安全な水とトイレを世界中に
- 7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 13. 気候変動に具体的な対策を
- 14. 海の豊かさを守ろう
- 15. 陸の豊かさも守ろう