国際機関による支援
アジア開発銀行(Asia Development Bank: ADB)
https://www.adb.org/site/funds/funds/leap
https://www.adb.org/site/funds/funds/japan-fund-for-joint-crediting-mechanism
ADBの代表的な金融プログラムには、アジアインフラパートナーシップ信託基金(LEAP:Leading Asia’s Private Infrastructure Fund)、アジア・太平洋プロジェクト組成ファシリティ(AP3F:Asia Pacific Project Preparation Facility)およびJCM日本基金(JFJCM:Japan Fund for the Joint Crediting Mechanism)がある。これらのプログラムは、通常融資資金(融資期間10-30年)に加え、コファイナンス・スキームとして、コンプリメンタリー・ファイナンシング・スキーム(Complementary Financing Scheme: CFS)と保証スキームが設定されているのが特徴である。主な融資対象は、開発途上加盟国政府、政府機関または下部機関、開発途上加盟国において事業を行う公的機関および民間企業。
欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development: EBRD)
EBRDの投融資の80%は民間企業への投融資であり、金融支援を行わない分野として、民間セクターと競合する事業、環境への悪影響を与えるプロジェクト、譲許的投融資の提供および国際収支支援であると明確に規定している。代表的な金融プログラムはローン、株式投資、保証、貿易金融そして案件発掘・形成事業である。また、金融仲介業者を通じて中小零細,さらにベンチャー企業に株式および融資で支援をする。通常、プロジェクトコストの最大35%まで負担し海外直接投資を呼び込むことを目指している。
気候技術センター・ネットワーク(Climate Technology Centre and Network: CTCN)
途上国の気候変動対策技術の導入・促進やそのための環境整備を目的として、UNFCCCの下に設置された組織です。CTCNの技術支援(Technical Assistance:TA)プロジェクトにより、意思決定ツール・情報提供、分野別のロードマップ・戦略の策定、技術オプションの実施可能性検討や特定、優先順位の設定等が行われ、直接的なプロジェクトへの資金提供ではなく、その入口に重点を置いています。日本企業が気候変動対策技術・設備の途上国への導入を目指す場合には、そのための関連法規等の条件整備等に活用し、その後の普及やビジネス展開に繋げていくことが期待できます。なお、CTCNのTAには、通常のTA(1年間程度、資金上限25万米ドル)と短期間で実施される簡易的なファストTA(2か月程度、資金上限1.5万米ドル)がある。TAは登録されたネットワーク機関のみが応札出来、そのネットワーク機関と委託された専門家(国内企業等)が協力して実施されます。
国際連合工業開発機関(United Nations Industrial Development Organization:UNIDO)
UNIDO東京事務所 http://www.unido.or.jp/
UNIDO調達情報 https://www.unido.org/resources-procurement/procurement-opportunities
UNIDOは、開発途上国や市場経済移行国において包摂的で持続可能な産業開発を促進し、これらの国々の持続的な経済の発展を支援するために、技術協力や政策助言サービス、知識移転、ネットワーキング等の活動を実施している国連の専門機関。
UNIDO東京事務所では、日本企業の海外活動を支援するために、途上国の投資担当官を招聘した個別相談会(http://www.unido.or.jp/outcome/delegate/)や日本企業のエネルギー・環境・農業技術を集めた「環境技術データベース(エネルギー関連技術・環境関連技術・アグリビジネス関連技術)」(英文)を作成して開発途上国・新興国の人々に情報提供する等の活動を展開している。同データーベースへ技術登録を行うには、UNIDO東京事務所の「サステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)」より申込が可能。
世界銀行グループ(World Bank Group)
国際復興開発銀行(International Bank for Reconstruction and Development: IBRD)
IBRDの金融プログラムは、民間金融機関との協調融資で部分保証を原則としている。プロジェクトのリスクの内、主にホスト国政府または政府機関の契約上の特定のリスク項目を保証する(the partial risk guarantee)もしくはリスク項目を特定せず融資の部分保証(the partial credit guarantee)を特徴とする。主な融資対象は、加盟国の経済開発プロジェクトにおいて一般資本市場で資金調達が不可能なプロジェクト、構造調整もしくは部門調整政策に必要な一般輸入資金(プロジェクトに結びつかない)における加盟国政府、または加盟国政府の保証のある加盟国政府機関・民間機関。
国際金融公社(International Finance Corporation:IFC)
IFCの金融プログラムは、民業圧迫を避ける原則を守ることが前提であり、民間の投融資を誘発するため当該プロジェクト総額の25%が融資上限となっている。当該国の政府保証は不要であるが、民間金融機関からの資金調達が妥当な案件は対象とならない。IFC協調融資には、自己勘定で融資を行うものと、民間金融機関との協調融資をアレンジするものがある。主な融資対象は、途上国の民間企業および事業。
緑の気候基金(Green Climate Fund: GCF)
GCFの代表的な金融プログラムには、気候変動緩和及び適応を対象とした無償資金、有償資金、保証および出資がある。公的・民間資金との協調融資が条件となっており、また気候変動によって追加的に必要な資金部分に限定されているのが特徴。申請は認証機関であるAE(Accredited Entity)からGCFへ行われる。主な融資対象は、民間企業および事業。
ブックレット「緑の気候基金(GCF)へのアクセスについて -民間事業者向け-」(環境省)
https://www.oecc.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/11/GCF_Booklet_Jp.pdf