環境インフラ海外展開プラットフォーム(JPRSI)

技術リスト(JPRSI)

技術・サービス概要

抽出から樹脂ペレット製造まで(廃棄 農林水産品の入口から出口まで)一貫製造プロセスを有している。
(1)廃棄品からヘミセルロース成分の抽出条件の特定・抽出、(2)ヘミセルロース含有水溶液から純度向上のため活性炭等での精製、(3)ヘミセルロース成分の濃縮・乾燥による粉末化、(4)強度・耐熱性・透明性等の機能向上のための化学合成、(5)他バイオプラスチック樹脂との混練/ペレット樹脂製造

目的

当社は、新たに栽培・伐採(例:バイオプラスチックのために食べられるトウモロコシ・サトウキビを使用する等)する植物資源を利用するのではなく、既に存在するが用途を見い出せず、焼却・廃棄されている「未利用資源」を活用した「農・林・水産物由来バイオプラスチック樹脂」を製造している。「既存の植物・樹木を完全に有効活用する」ための自然循環の中での製造活動であり、CO2排出量の抑制や、従来製造方法との比較によるCO2削減に寄与するものである。

「脱炭素社会」に貢献するために、世の中で定着している石油由来プラスチック用品(ex. 食品飲料容器、化粧品容器、自動車・航空機・宇宙ロケット・鉄道車両 内装部品など)から植物由来に置き換えるために、「射出成形・ブロー成形・シート成形・フィルム成形・溶融紡糸化」など様々な成形方法に適応する性質を持つバイオプラスチックを開発し、各産業用途におけるカーボンニュートラルを促進する。

特徴

バイオプラスチックを使った容器等の固形化された成形品は世の中に多く存在するが、当社は、ヘミセルロース活用バイオプラスチック材料HEMIX™を使って、固形成形品(例:タンブラー、化粧品容器等)のみならず、1㎜程度の薄いシート/フィルムや、100%バイオ繊維/糸の開発も行っている。このように、バイオプラスチック材料で3分野(射出成形品、シート/フィルム、繊維/糸)が揃った製品に取組んでいる会社は他に例がない。
ヘミセルロースは、バイオ樹脂材料では他に例がみられない「流動性の高さ」により成形加工がしやすい。また海洋・河川中において180日間で90%以上が分解される「海洋生分解性の高さ」が、各種バイオ樹脂材料の中でも差別化要因として強みとなっている。
当社製品は、商材だけでなく、脱炭素の意義や可能性を伝える「環境教材」としての役割も果たしている。昨年には福島県の県立高校10校が連携して、当社の植物由来・生分解樹脂容器を使用した海洋生分解性実験を行い、また川崎市主催の小中学生を対象とした教育プログラムで、当社製品を用いて植物由来プラスチックとCO2削減に関するレクチャーを行うなど、大きな反響があった。

効果

【CO2削減効果】
1)石油由来プラスチックからバイオプラスチックへの転換=石油由来プラスチック製造過程のCO2排出量削減(光合成によるCO2吸収)

ヘミセルロースは、樹木および植物全般に 20~30%含まれている多糖類の総称で、世界の木材生産量(年18億トン)のうち年5億トンを占めるが、これまでごく一部が食品・化粧品添加物に使われてきた以外、ほとんどが廃棄・燃焼されてきた。包装容器・材料等に大量に使われている石油由来プラスチックからバイオプラスチックに転換する上で、特に各成分の中で未利用率が高いヘミセルロース成分を活用することは、CO2削減量が大きく、また他用途との取り合いが起きないことから将来の拡張性が非常に大きい。

2)廃棄 農・林・水産品由来 成分の活用=廃棄・燃焼における温室効果ガスの発生抑制
「廃棄物系バイオマス」(食品残渣、搾りかす等)、「未利用系バイオマス」(甲羅・骨などの非食用部、残置林等)にもヘミセルロースが含まれている。廃棄前の農・林・水産事業者と連携し、廃棄品を回収し、ヘミセルロースを抽出し製品化することで、廃棄・燃焼におけるCO2発生抑制に寄与する。

規制対象物質

展開可能国

  • 日本
  • 東南アジア
  • 中央、南アジア
  • 中国、東アジア
  • 中東
  • アフリカ
  • オセアニア
  • 欧米
  • アセアン諸国

    インドネシア,シンガポール,タイ,ベトナム,マレーシア

この技術が貢献するSDGs

  • 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 12. つくる責任 つかう責任
  • 13. 気候変動に具体的な対策を
  • 14. 海の豊かさを守ろう

廃棄 農・林・水産品由来 バイオプラスチック HEMIX™