グリーン経営認証制度
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団
技術・サービス概要
グリーン経営認証制度とは、環境保全を目的にした取り組みを行っている運輸事業者(トラック、バス、タクシー、旅客船、内航海運、港湾運送、倉庫)に対する認証制度です。当財団が認証機関となり、グリーン経営推進マニュアル※に基づいて、一定レベル以上の取組を行っている運輸事業者を認証・登録する制度です。
※グリーン経営推進マニュアルは、ISO14031(環境パフォーマンス評価に関する国際規格)の考え方に基づき、環境保全項目ごとの具体的な取組内容を示したものであり、目標の設定と評価が容易にできるように配慮され、これを通じて経営のグリーン化が簡便かつ継続的に進められるようになっています。
目的
本認証制度は、グリーン経営推進マニュアルに基づく事業者の環境改善の努力を客観的に証明し公表することにより、取組み意欲の向上を図り、あわせて認証事業者に対する社会あるいは利用者の理解と協力を得て、運輸業界における環境負荷の低減につなげていくための制度です。
特徴
トラック事業については2003年10月、バス、タクシー事業については2004年4月、旅客船、内航海運、港湾運送、倉庫事業については2005年7月より開始しました。認証登録された事業者は、2023年末までに3,133事業者6,203事業所となっており、エコモ財団のホームページで「環境にやさしい運輸事業者」として公表するとともに、毎月新規登録分を新聞各社にプレスリリースしています。また、認証登録されたトラック、バス、タクシー事業者の保有する車両台数は日本全国の事業者の保有する台数の10.2% ~ 14.7%となっています。
効果
グリーン経営認証制度による環境負荷低減の実効性を定量的に評価するため、認証取得による具体的効果の検討を実施し、認証取得後の燃費向上効果はもとより、交通事故件数の減少、職場モラルの向上等の副次的効果が見られることがわかりました。
①トラック、バス、タクシー事業者で燃費向上や交通事故件数、車両故障件数の減少
トラック、バス、タクシー事業者の取得2年後の平均燃費は、車両総重量8トン以上のトラックの場合で認証取得時と比較して3.1%、8トン未満で3.1%、バス2.5%、タクシー 1.6%と向上していました。さらに、認証取得後1年目の走行距離あたりの交通事故件数は、前年比でトラック25.9%、バス20.5%、タクシー 7.0%減少し、また、走行距離あたりの車両故障件数は、前年比でトラック20.9%、バス4.0%、タクシー 15.9%減少しました。
②倉庫、港湾運送、旅客船、内航海運事業者のCO2排出の改善
倉庫、港湾運送事業者では、取得2年後のCO2排出原単位は普通倉庫で 3.6%、冷蔵倉庫で3.3%、港湾運送では取扱いトン数あたりで5.9%、取扱コンテナ数量あたりで11.0%改善されていました。
旅客船、内航海運事業者では、取得2年後のCO2排出原単位は旅客船で3.3%、内航海運で4.4%、曳船では1.3%改善されていました。
③その他の副次的効果
さらに、認証取得事業者は「職場モラル・士気の向上」、「お客様からの評価の向上」、「交通事故件数の減少」「リーダー層の人材育成」などいろいろなメリットを感じていることがわかりました。
規制対象物質
参考資料
展開可能国
- 日本
参照URL
この技術が貢献するSDGs
- 7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 11. 住み続けられるまちづくりを
- 13. 気候変動に具体的な対策を