環境インフラ海外展開プラットフォーム(JPRSI)

技術リスト(JPRSI)

技術・サービス概要

蒸気式熱交換器の内部では、伝熱面上に形成される水膜が熱抵抗となり、熱伝達を阻害する要因になっていた。
本技術は、伝熱面に撥水性を付与し水膜を水滴に変化させることにより、総括伝熱係数を最大30%向上させ、省エネによるCO2排出量削減、および生産性向上に貢献する画期的な技術。

目的

Kurita Dropwise Technologyは、省エネルギーの実現を通じてCO2排出量削減に貢献する当社独自の技術の一つである。
昨今、世界情勢の変化による燃料の高騰やカーボンニュートラルの実現に向けて、製造業における省エネルギーは避けて通ることのできない取り組みの一つであるが、省エネルギーの取り組みは既に多くの施策が実施されており、新たに取り組みのアイデアを探すことや、施策を実施するにも機器導入などの大きな設備投資を要することなどから、更なる省エネルギーを進めることは難しいことが多い。
本技術は、蒸気側から熱交換器の熱伝達の効率を向上させるという、これまでにないコンセプトに基づき、生産設備の生産性向上や、工場での多くのエネルギー割合を占める蒸気使用量の削減による省エネルギー(CO2排出量削減)などに貢献する。

特徴

本技術は、熱伝達率の向上率が大きいことに加えて、簡易に適用できることから、多くの設備で導入されている。
適用時の具体的な手順としては、対象熱交換器直前の蒸気ラインに薬注点を加工するのみである。
つまり、生産設備を稼働させたまま本技術の導入が可能である。
また、導入に必要な設備は、弊社所有の設備から貸し出しすることに加え、現場サポート、データ解析をパッケージ化することで、大きなイニシャルコストや設備保有をせず,お客様に掛かる労力も抑える仕組みで提供している。
また、日本では、2019年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)・資源エネルギー庁長官賞や、2022年度関東発明表彰・発明奨励賞を受賞している。

効果

蒸気加熱式の熱交換器では、蒸気の凝縮により伝熱部に形成した水膜が、熱伝達を阻害する主な要因になる。
本技術は、蒸気中に添加した特殊な薬品を熱交換器の伝熱部の金属表面に吸着させ、撥水性を付与することで、蒸気の凝縮水の形態を水膜状から水滴状に変化させることで熱伝達を改善させる。
熱伝達の阻害要因である水膜の形成を抑制することで、熱の伝わりやすさの指標である総括伝熱係数(U値)を最大30%向上させる。

規制対象物質

展開可能国

  • 日本
  • 東南アジア
  • 中央、南アジア
  • 中国、東アジア
  • 北米
  • ヨーロッパ
  • 中南米
  • アセアン諸国

    インドネシア,シンガポール,タイ,フィリピン,ベトナム,マレーシア,ミャンマー

導入事例

本技術は、蒸気を用いた熱交換器全てが対象とであり、多くの型式の熱交器での適用が可能であることから、多種の業種・プロセスで導入されている。
具体的には、製紙工場のドライヤ工程、段ボール工場のコルゲータ、発電タービンの復水器、化学工場の反応釜などである。
例えば、製紙工場の湿紙を乾燥させるドライヤ工程では、本技術の適用により熱伝達率が向上した結果、5~10%の蒸気原単位の改善と、CO2 排出削減に貢献している。また、乾燥不良を改善できたことで生産量の増加も得られている。

国内のみならず海外での適用も進んでおり、国内外で300件以上の導入の実績がある。

この技術が貢献するSDGs

  • 7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに

滴状凝縮技術(Kurita Dropwise Technology )

YouTube 動画

Dropwise Condensation Technology (滴状凝縮技術)