パラオは、フィリピンの東、ミクロネシアの最西端に位置し、面積は488平方キロメートルで屋久島とほぼ同じ広さである。一人当たりGDPは1万ドル以上で、太平洋島嶼国の中では最も高い。国土が広大な海域に散らばり、国内市場が小さく、国際市場から地理的に遠いなど、太平洋島嶼国に共通する開発上の困難を抱えている。政府は、「パラオ国家開発計画2020」において、水産業を基幹産業として位置付けており、自然環境と調和のとれた海洋資源の持続的な開発を目的として、養殖普及、沿岸・沖合漁業の規制やモニタリング等の取組に重点を置いている。また、電力設備等のインフラ整備の遅れが、観光業などの産業発展や海外投資促進の阻害要因となっており、これらの脆弱性の克服が同国の社会・経済発展には不可欠である。