環境インフラ海外展開プラットフォーム(JPRSI)

技術リスト(JPRSI)

環境技術概要

本リストは、研究開発法人国立環境研究所のwebサイト「環境展望台」の「環境技術解説 」の分類および解説をもとに、環境インフラ海外展開プラットフォーム事務局が編集、加工しています。

プロジェクト例は、JCM:JCM設備補助事業、JFJCM等の採択案件、イノベ・コイノベ:途上国向け低炭素技術イノベーション創出事業及びコ・イノベーションによる途上国向け低炭素技術創出・普及事業の採択案件にリンクしています。

温暖化対策

分類 技術名 概要
再生可能
エネルギー
風力発電 風力発電とは、風のエネルギーを利用する発電のことをいいます。技術の進展と共に低コスト化が進んで、世界で急速な拡大を続けています。夜間も発電できるといった利点がある一方、風況によって発電量が変動する等の課題も多く、風況予測・発電制御・大型化・洋上を含む様々な場所への設置工法等、広範な技術開発が進められています。
バイオマス発電 バイオマス発電とは、木材や植物残さ等のバイオマス(再生可能な生物資源)を原料とする発電のことをいいます。
太陽光発電 太陽光発電は、日射があるかぎり発電ができ、発電にともなって温室効果ガスを発生しないなど、代表的な再生可能エネルギーで次世代の主力電源の一つとして普及推進されています。また、太陽光発電の効率は規模の大小に左右されにくいため、電卓からメガソーラー(大規模太陽光発電所)まで幅広く利用されています。
水力発電 水力発電とは、水の持つ位置エネルギーを利用して、落水や流水により水力で羽根車を回し、その動力で発電機を回して電気エネルギーを得る方式のことをいいます。発電容量により、およそ10MW以下を小水力発電、およそ1MW以下をマイクロ水力発電と呼び、発電方式には流れ込み式、ダム式、揚水式などがあります。
地熱発電 地熱発電は、地熱によって生成された水蒸気や熱水を直接もしくは間接利用する発電のことをいいます。二酸化炭素の発生が火力発電に比べて少なく、また、太陽光発電及び風力発電と異なり、天候、季節、昼夜によらず安定した発電量を得られます。
バイオマス
利用技術
バイオ燃料 バイオ燃料は、バイオマス(生物資源)を原料とする燃料のことです。地球温暖化対策が緊急課題となる中、化石燃料を代替する燃料として利用拡大が期待されています。
その他バイオマス利用技術 バイオマス利用技術には、バイオマスを、熱・ガス・燃料・化学品等に変換するための直接燃焼・糖化・発酵、ガス化・再合成などの様々なものがあり、上記のバイオマス発電やバイオ燃料以外にも、バイオプラスチック・飼料・肥料・化学品の製造等に利用されています。
省エネ技術・
エネルギー有効利用技術
コージェネレーション コージェネレーションとは、ガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジンや燃料電池を用いて、発電を行うとともに、その排熱を利用して蒸気を発生させる技術です。熱と電力を同時に得ることから、「熱電併給」とも呼ばれます。
コンバインドサイクル発電 従来の方式による火力発電はCO2排出量が多いことから、発電の効率を高めることが求められています。コンバインドサイクル発電は、ガスタービンによる発電とスチームタービンによる発電を組み合わせることにより高効率化を実現しました。
ヒートポンプ 省エネやCO2削減効果が期待されるヒートポンプに高い関心が寄せられています。空調機器や給湯器などについて、ヒートポンプの利用状況と現在の技術動向を整理します。
ESCO 省エネルギーの改修経費をエネルギー削減からまかなうESCO事業。温室効果ガスの削減に向けて「待ったなし」の時を迎え、省エネルギー推進の切り札としてESCO事業に期待が集まっています。
高効率照明 現在のさまざまな照明技術と、高効率蛍光灯、高効率LED照明、有機ELなどをはじめとした次世代の照明技術について、最新の開発動向を紹介します。
電力貯蔵技術 低炭素社会に向けたエネルギーの効率的利用に役立つと期待される電力貯蔵技術。そのさまざま方法について、原理や特徴などとともに最新の開発動向を紹介します。
グリーンIT グリーンITは、エネルギー消費の削減や地球温暖化対策に欠かせない技術として注目を集めています。今回は、その概要と最近の動向について紹介します。
燃料転換 より低炭素燃料へ転換することのできる技術。同じエネルギーを得るのに排出される二酸化炭素の量を比べると、石炭よりも石油、石油よりも天然ガスの方が二酸化炭素の排出量が少なくて済みます。
未利用エネルギー 未利用エネルギーとは、工場排熱、地下鉄や地下街の冷暖房排熱、外気温との温度差がある河川や下水、雪氷熱など、有効に利用できる可能性があるにもかかわらず、これまで利用されてこなかったエネルギーの総称です。
ボイラー ボイラーは水を沸かし、湯や水蒸気をつくりだす設備や装置のことで、製造工場などで利用されるボイラーは炉筒煙管ボイラーが主流でしたが、最近では効率が良くコンパクトな貫流ボイラーがあります。燃料は重油炊きが一般的であるが、CO2排出の少ないCNGを利用するものが増えています。
廃熱発電・廃熱回収 廃熱発電とは、大気中や水中に排出・廃棄される熱を利用した発電方法です。一般に廃熱はあまり高温ではないことからスターリングエンジンや熱電変換素子を用いることが一般的ですが、太陽光を集約し高温を得てから発電することにより汽力発電を行うものもあります。
その他省エネ技術 上記分類の省エネ技術・エネルギー有効利用技術には属さないが、エネルギーを効率的に使用し、消費量を減らすことのできる技術の総称です。
エコビルディング 省エネビル 省エネビルとは、オフィスや商店、ホテル、学校、病院といった、主として業務用のビルにおいて、ビルに関する様々な省エネルギー技術を取り込んで、エネルギー消費の低減(最小化)を目指すビルのことです。
エネルギーマネジメントシステム(EMS) エネルギー管理システム(EMS)とは、センサーやIT技術を駆使してエネルギー消費量を可視化しつつ積極的な制御を行うことで省エネにつなげたり、再生可能エネルギーや蓄電池等の機器の制御を行うことで効率的なエネルギーの管理・制御を行ったりするシステムのことです。対象によってHEMS(家庭のエネルギー管理システム)、BEMS(建築物のエネルギー管理システム)、FEMS(工場のエネルギー管理システム)、CEMS(地域のエネルギー管理システム)などと称されています。
ヒートアイランド対策技術 都市部の気温が郊外よりも高くなるヒートアイランド現象により、さまざまな弊害やリスクが生まれています。ここでは、人工排熱の低減や地表面被覆の改善、都市形態の改善をはじめとするヒートアイランド対策技術を紹介します。
屋上緑化・壁面緑化 ヒートアイランド対策や都市空間の美化演出などを目的として、建造物の屋上緑化・壁面緑化を推進する動きが続いています。ここでは、屋上・壁面緑化の現状や、効果と課題、参考にすべき優良事例などを紹介します。
エコモビリティ ハイブリッド車(HV) ハイブリッド車(HV、Hybrid Vehicle)とは、エンジンと電気モーターといった異なる複数の動力源を搭載した自動車のことです。それぞれの利点を組み合わせることで、低燃費と低公害を実現しています。
電気自動車(EV) 電気自動車(EV、Electric Vehicle)とは、バッテリーに蓄えた電気をモーターに供給し、走行のための駆動力を得る自動車のことです。電気自動車(EV)の一般向け販売が始まったことや、高性能バッテリーの登場などにより、省エネ・脱炭素化・低公害の次世代自動車の代表的存在として期待されています。
ライトレール(LRT) ライトレール(LRT:Light Rail Transit)とは、快適で省エネ性に優れた、新しい路面電車交通のことです。公共交通機関であるライトレールは、エネルギー効率が良く、自動車交通量の削減にもつながるとして注目されています。
グリーン物流 グリーン物流とは、物流システムの改善により物流段階における二酸化炭素排出量を削減する取り組みの総称です。モーダルシフト、輸送拠点の集約、共同輸配送、車両等の大型化などに分類されます。
ITS(高度道路交通システム)と自動走行システム ITS(高度道路交通システム、Intelligent Transport System)とは、ICTを活用し、円滑で安全な道路交通を実現するシステムのことをいいます。また、自動走行システムとは、自動運転車(ロボットカー)を走行させる技術体系のことであり、安全運転支援システムとともにITS技術の重要な一部と位置づけられています。
CO2の分離・回収・利用・貯留(CCUS) CO2分離・回収・貯留(CCS) 温室効果ガスの代表格であるCO2を排ガス等から分離・回収して地中や海底などの別の場所に隔離し閉じ込める技術は、CO2分離・回収・貯留(Carbon dioxide capture and storage)の英文頭文字を取ってCCSと呼ばれています。課題を多く指摘されていますが、大気中の温室効果ガスを大量に削減できる技術として期待されています。
CO2回収・利活用(CCU) CCUとは、CO2を有価物・資源として再利用し、大気中へのCO2排出を抑制する技術のことで、カーボンリサイクル技術ともいわれます。都市ガスや輸送部門の脱炭素化に向けた合成メタン(e-methane)や合成燃料(e-fuel)等のカーボンリサイクル燃料としての活用以外に、製品として長期固定化することもCCUと呼ばれます。CCSとCCUを合わせてCCUSとも称します。
適応技術 地球観測技術 地球規模の環境や災害の実状を把握・解析し、有効な対策に役立てるためには地球規模の観測が必要です。衛星観測技術、航空機観測技術、海洋観測技術などを活用することで地球規模の観測を実現します。
気候変動予測技術 気候変動予測とは、コンピュータモデル等を用いて温暖化をはじめとする地球規模の気候変動を予測することをいいます。地球温暖化が国際的な重要課題となるなかで、各国でスーパーコンピュータ等を用いた高精度の予測研究が進められ、ますますその重要性を増しています。
地域観測・監視制御技術 特定地域の環境や災害の実情を精度よく高効率に把握・解析し、有効な対策に役立てる技術です。衛星観測技術、航空機観測技術、海洋観測技術などの先進技術やIoTを活用しより豊かで安心安全な未来を実現します。
災害対策技術 天災や疫病などに備えるため、あるいはそれらに見舞われた時に被害を極力抑えるためのレジリエントな対応技術です。
オゾン層保護対策
技術
フロン回収・処理技術 フロン回収・処理技術とは、オゾン層破壊の原因となる特定フロンを回収し、破壊等の処理を行う技術の総称です。フロンの用途としては、冷媒(カーエアコン、業務用エアコン、家庭用エアコン、冷蔵庫・冷凍機器)、断熱材(冷蔵庫、建材)などがあります。
代替フロン・ノンフロン 代替フロンとは、オゾン層破壊物質としてモントリオール議定書で削減対象とされた「特定フロン」(CFC)を代替するために開発されたHCFC、HFC、PFC等の物質のことであす。また、フロンを使用しないノンフロン冷媒や発泡剤の開発も進められています。
水素技術 水素供給・利活用技術 水素は、エネルギーとして利用する際に、需要に合わせて出力を調節でき、かつ、CO2を発生しないという利点を持ちます。多様な一次エネルギーから様々な方法で製造が可能で、とくに変動していたり余剰であったりする再エネを利用でき、製造後も長期貯蔵が容易であることから、カーボンニュートラルを目指す上で不可欠な重要分野の一つとして期待されています。
燃料電池 燃料電池とは、水素と酸素の化学反応(水の電気分解の逆反応)により、電力と熱を発生させる技術です。発電の際、二酸化炭素は発生せず、騒音・振動もないという特長があります。

ごみリサイクル

分類 技術名 概要
3R
(リデュース・リユース・リサイクル)
リデュース技術 製品の製造・流通や消費・使用段階において、資源の投入や廃棄物の発生等の抑制を図る技術のことです。具体的には、原材料の使用量削減(省資源化)や、製品の長寿命化、製造工程での廃棄物・副産物の減量などがあります。
ライフサイクルアセスメント(LCA) 製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)又はその特定段階における環境影響を定量的に評価する手法です。カーボンフットプリント、スコープ3などはその応用例です。
再生材利用土木資材 再生材利用土木資材とは、建設廃棄物や産業副産物、溶融スラグ(一般廃棄物や産業廃棄物の熱処理後の残渣)及び下水汚泥などを原料として製造された土木資材であり、具材的には、骨材、路盤材、透水性ブロックなどがあります。
レアメタルリサイクル技術 幅広い分野の産業に不可欠なレアメタル・レアアースは、安定供給の維持のため、製品廃棄時に回収・リサイクルする技術が重要となります。
食品リサイクル技術 食品廃棄物を減容化し、飼料や肥料にリサイクルする技術です。飼料を生産して畜産業者などで利用する飼料化、肥料を生産して農家などで利用する肥料化、油脂や油脂製品への利用、発生するメタンを利用するものがあります。
容器包装リサイクル技術 容器包装リサイクル技術とは、ガラスびん、紙製容器包装、ペットボトル、プラスチック製容器包装などの容器包装廃棄物をリサイクルする技術の総称であります。
古紙リサイクル技術 古紙リサイクル技術とは、家庭やオフィスから排出される不要な紙を、紙もしくはそれ以外の製品として再利用する技術の総称です。
家電リサイクル技術 家電リサイクル技術とは、回収された使用済み家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等)から金属やプラスチックなどを回収して、再資源化する技術です。
自動車リサイクル技術 自動車リサイクル技術とは、使用済み自動車を構成する鋼板(鉄、アルミニウム)、バンパー、バッテリー、ガラスなどの部品や素材をリサイクルする技術の総称です。
建設リサイクル技術 建設リサイクル技術とは、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、廃木材、汚泥などの建設副産物を再資源化する技術の総称である。関連法令に「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リサイクル法)があります。
廃プラリサイクル技術 使用後に廃棄されたプラスチック製品を回収・選別して元のプラスチックや中間製品にリサイクルする技術です。(プラスチックの成型工程で出た端材等を工程に投入する工程内リサイクルは除きます)
建築物の長寿命化技術 循環型・低炭素社会の実現に向けて、長寿命建築に対する関心が高まっています。ソフト・ハード両面からの取組について紹介します。
エコマテリアル 最終製品の原材料製造・調達・輸送・製品製造・製品使用・回収・廃棄・リサイクルの各段階において、環境負荷が低減された材料の総称です。
アップサイクル アップサイクルとは、不用品や廃棄物を再利用して以前より付加価値の高い製品にリサイクルすることを指します。廃棄されるものを再利用するという点ではアップサイクルもリサイクルも同じですが、アップサイクルは原料や材料に戻すだけではなく、元の製品の素材を生かして付加価値の高い商品にすることが特徴です。例えば、古チラシを重ねてデザイン性の高いトートバッグにした例や、廃棄バイオマスから航空燃料(SAF)を合成する例などはアップサイクルと呼ぶことができます。
廃棄物処理 ガス化溶融 ガス化溶融とは、ごみを熱分解し、生成した可燃性ガスとチャー(炭状の未燃物)をさらに高温で燃焼させ、その燃焼熱で灰分・不燃物等を溶融する技術であり、ダイオキシン類の発生抑制や、廃棄物の減容化、溶融スラグの資源化等の特長があります。
廃棄物固形燃料化(RDF、RPF) 廃棄物固形燃料化とは、廃棄物(ごみ)からRDF(Refuse Derived Fuel)やRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)などの固形燃料を製造する技術のことです。
廃棄物発電 廃棄物発電とは、ごみを焼却する際の熱により高温高圧の蒸気を作り、その蒸気でタービンを回すことにより発電を行う方法です。熱源とするごみの種類・性質によって、いくつかの種類があります。
焼却処理 焼却処理とは、ごみの減容化や無害化、再資源化を目的として、ごみを燃焼したり、その燃焼によって生じる焼却灰を溶融したりする技術のことです。焼却炉の種類によっていくつかの方式が存在するが、大きく、ごみを燃焼する「焼却炉」と、焼却灰を高温で溶融する「溶融炉」に分けることができます。
汚泥処理・資源化 汚泥処理とは、濃縮・脱水・焼却などによって汚泥を減容化し、衛生的で取扱いやすい状態にするとともに、埋め立て処分量を削減する技術です。また、汚泥資源化とは、資源としての汚泥の再生利用や、エネルギー回収、燃料化などを行う技術の総称です。
堆肥化技術 生ごみ、家畜糞尿や下水汚泥などの有機性廃棄物を発酵させ、短期間で堆肥化する技術です。有機質を微生物の作用により好気性条件下で分解し、発酵分解に伴う発熱によって有害細菌を死滅させることで、衛生で安全なものに変換して肥料にします。
最終処分及び浸出水処理

最終処分とは、我が国においては廃棄物の埋め立て処分のことを指す言葉であり、廃棄物の収集・分別・焼却等の一連の処理工程の最後に行われるため、「最終」処分と呼ばれます。

浸出水処理とは、管理型最終処分場の浸出水に含まれる有機汚濁成分や重金属、難分解性有機物等を処理する技術です。

廃棄物処理プロセス 廃棄物処理に係る一連のフローを構成する「収集・運搬」、「中間処理」、及び「最終処分」、それぞれにおける工程。特に中間処理プロセスには多くの種類が存在し、適用される技術もさまざまです。

水・土壌

分類 技術名 概要
水質改善・水質管理技術 水処理膜 水処理膜とは、μm〜nm(10-6〜10-9m)の細孔を有する水処理用の特殊な膜で、水の中から細孔を通り抜けることのできない不純物(バクテリア、高分子、多価イオンなど)を除去する膜の総称です。海水を淡水化するRO膜をはじめ、NF膜、UF膜、MF膜などがあります。
水質監視(管理) 水質監視とは、あらかじめ設定された河川等の地点または水処理装置において、水質を測定し記録または制御する体制および方法のことです。水質管理の場合は水質測定に加え、広く水処理装置の運用を含めるケースが多いです。
小規模排水処理技術 小規模な事業場における排水処理技術では、維持運営コストを少しでも軽減できる要素を組み入れることが重要となっています。
水域浄化 水域浄化とは、水質が悪化している河川、湖沼、海域などの水域において、汚染物質の除去が可能な装置や施設等を整備することにより、水質の向上をはじめ、魚類や水生生物等の生息環境の改善を図る技術を指します。
上下水道 上水道システムは、河川や地下水からの採取水を浄化する浄水場と、浄水場から各家庭・事業場へ送水する上水管路網で構成され、また下水道システムは、汚水や雨水を集水する下水管路網と、下水管路網からの下水を処理して水域へ放流する下水処理場で構成されます。
土壌・地下水汚染対策 雨水・再生水利用 雨水・再生水利用とは、雨水貯留や下水処理によって得られた水を、雑用水として水洗トイレ、散水、修景水、清掃等の用途(飲用以外)に利用し、水資源を節約したり、一定の範囲内での効率的な利用を図るものです。
浄化槽 浄化槽は、主として住宅から排出されるし尿と生活雑排水を各戸毎に処理し、一定の水質まで浄化してから放流する設備です。主に下水道の普及していない地域での導入が進んでいます。
富栄養化対策(発生源対応) 富栄養化対策とは、湖沼や湾などの閉鎖性水域に注ぎ込む河川へ排出する、家庭や工場等の発生源からの窒素・リンを削減する対策技術です。窒素・リンの削減には、物理化学的および生物学的な処理方法が幾つかありますが、下水処理場では、有機汚濁とともに窒素・リンを削減する生物学的処理を採用する事例が多くあります。
土壌汚染調査 土壌汚染調査とは、土地取引等の際に、その土地の汚染の有無あるいは汚染状況を把握するために行われる調査のことです。方法は土壌汚染対策法施行規則(平成14(2002)年)に規定されています。
土壌・地下水汚染対策 2003年2月に、市街地の土壌汚染を規制する「土壌汚染対策法」の施行以降、技術の開発・実用化が急速に進んでいます。土壌汚染は、汚染物質の性状や地質、汚染の深さや規模、濃度がさまざまで、環境へ与える影響も異なることから、土壌汚染対策技術は、調査技術から汚染処理技術まで非常に多岐にわたり、それぞれの汚染状況に対応した措置をする必要があります。
バイオレメディエーション バイオレメディエーションとは、微生物や植物を利用して、土壌や地下水の汚染を修復(remediate)する技術です。汚染土壌にもともと生育している微生物に水、酸素、栄養物質を供給して汚染物質の分解を促進させる方法(バイオスティミュレーション)と、汚染物質の分解菌を新たに導入する方法(バイオオーグメンテーション)の2種類に大別されます。

大気

分類 技術名 概要
排ガス処理技術 クリーンディーゼル車(CDV) クリーンディーゼル車(CDV)は、従来のディーゼル自動車からの排ガスに含まれているNOxやPMなどを一層低減したディーゼル自動車のことを指します。燃料の噴射時期の調節などによる燃焼改善、触媒の使用による汚染物質の酸化・還元、DPFシステムによるPMの除去などがあります。
排煙脱硫技術 排煙脱硫技術とは、石炭火力発電所などの排ガスから硫黄酸化物(SOx)を除去する技術で、アルカリ水溶液やスラリーでSO2を吸収する「湿式法」や、活性炭等を用いる「乾式法」などがあります。
排煙脱硝技術 排煙脱硝技術とは、石炭火力発電所などの排ガスから窒素酸化物(NOx)を除去する技術のことをいいます。「乾式法」と「湿式法」に大別されるが、我が国では乾式法、中でも、アンモニアを還元剤に用いる選択接触還元法の採用が最も多いです。
ばいじん除去技術 ばいじん(煤塵)除去技術とは、ばいじん発生施設または装置から発生する含じんガスから、粒子状物質を除去する技術のことです。集じん装置(ばいじん除去装置)によって処理される。集じん装置は、その集じんの方式によって、重力式、慣性式、遠心式、洗浄式、ろ過式、電気式の6種類に大きく分類することができます。
自動車排出ガス対策

大気汚染の主な発生源のうち移動発生源、特に自動車排出ガスに対する対策。自動車の排出ガス規制は段階的に強化が進み、ヨーロッパのユーロ6は、日本のポスト新長期規制とともに厳しい内容となっています。

燃料では、排出ガス処理において問題となる硫黄分を削減するサルファーフリー化が進んでいます。軽油の場合、世界各国で10ppm規制が導入されつつあります。

VOC処理技術 VOC処理技術とは、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)を取り扱う工場等において、排出口や工程から大気中に放出・漏洩するVOCを捕捉・除去するなどして処理する技術です。

NbS(自然を活用した解決策)

分類 技術名 概要
NbS(自然を活用した解決策) NbS(自然を活用した解決策)

NbSとは、国際自然保護連合(IUCN)と欧州委員会が発表した比較的新しい概念で、「社会課題に効果的かつ順応的に対処し、人間の幸福および生物多様性による恩恵を同時にもたらす、自然の、そして、人為的に改変された生態系の保護、持続可能な管理、回復のための行動」と定義されています。

主なものとして、グリーンインフラ・EbA(生態系を活かした気候変動適応)・Eco-DRR(生態系を活かした防災・減災)などがあります。

その他

分類 技術名 概要
ハード・技術 環境分析技術

環境分析技術とは、大気、水質、土壌・地下水、廃棄物などの環境中の試料を分析するための技術です。

環境問題の現状把握と対策のため、正確な測定・分析により環境基準との比較が必要である。環境分析技術には、従来から分析化学等で用いられてきた分析技術が応用されており、簡易な技術(ローテク)から最先端の技術(ハイテク)まで、あらゆる方法を用いて、技術の改良も進められています。

光触媒 光触媒は、光を吸収して触媒作用を示す(化学反応を促進する)物質の総称です。光が当たることにより、通常の触媒プロセスでは困難な化学反応を常温で行わせることができ、汚染物質の分解など環境分野に幅広く応用することができます。
環境配慮工法 環境負荷を低減した方法により、工事等を行う技術を適用します。河川の浚渫や埋立のほか、発電所建設などに適用可能な技術などが含まれます。
環境コンサルティング 自治体の環境政策や、企業の環境に関連するコンサルティング、市民やNGO、事業者など様々な立場の環境保全活動に対するコンサルティングを実施します。
サービス 国際貢献 世界各国での政府開発援助(ODA)業務・コンサルティング業務の実績に基づき、人材・経験・ネットワークを最大限に活かして、SDGsに貢献する優れた技術・製品・ノウハウを持つ民間企業のパートナーとして、企業等の海外進出を支援します。
CSR 自治体や企業が社会・環境に与える影響について責任を持ち、社会の持続的発展のために貢献すべきとする考え方に基づき、そのために実践される諸活動を、自治体・企業等の貢献として発信する手法等を支援します。