活動記事:イベント報告

フィリピン商工会議所との覚書締結、
及び、環境技術交流セッション開催

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イベント名 フィリピン商工会議所との日本・フィリピンの環境ソリューション活用促進に関する覚書の署名式、及び、日本・フィリピン環境技術交流セッション
開催日 2025年7月8日 9時~10時30分
開催方法 東京都内にて対面開催
概要 フィリピン商工会議所(Philippine Chamber of Commerce and Industry:PCCI)と、JPRSI事務局を務める一般社団法人海外環境協力センター(OECC)との間で、JPRSIを通じた環境協力と脱炭素社会の実現に向けた連携の覚書を締結しました。
また、フィリピンの環境ニーズに対してJPRSI会員企業から環境技術を紹介する日本・フィリピン環境技術交流セッションも開催いたしました。質疑応答では会場での参加者の他、オンラインで参加したPCCI環境気候委員会のメンバーも交えて活発な議論が行われました。
関連資料

同意書(英語)
https://jprsi.go.jp/files/report/PCCI_JPRSI_MOU.pdf

同意書(日本語仮訳)
https://jprsi.go.jp/files/report/PCCI_JPRSI_MOU_JP.pdf

PCCIとの環境ソリューション活用促進に関する覚書の締結

2025年7月8日、PCCIと、JPRSI事務局を務めるOECCとの間で、JPRSIを通じた環境協力と脱炭素社会の実現に向けた連携の覚書を締結しました。
この覚書は、今年1月にマニラで開催された「第2回フィリピン・日本環境ウィーク」における協力の成果を受けたものであり、循環型社会の推進・気候変動対策・環境技術の展開をテーマとする官民連携をより加速させるものです。

日本・フィリピンの環境協力に係る期待

PCCIのEnunina V. MANGIO会頭は、「今回の覚書締結は、環境保全と持続可能なビジネスの実践を通じて、私たちが共通の責任を果たしていこうという強い意思を示すものであり、本日のセッションは、今年1月にマニラで開催された第2回日本・フィリピン環境ウィークの成功が土台となった重要な成果である」と述べました。また、技術交流セッションについては、フィリピンが直面している環境課題や技術ニーズに対して、日本企業から革新的な環境ソリューションの提案が行われることへの期待が示されました。「このようなセッションは、我々の議論が解決策に焦点を当て、環境問題への対応とビジネスの成長の両立に向けた実質的な協力の機会を生み出すものである。環境課題の解決には、国際的な協力と最先端の技術が不可欠である」と述べました。

PCCI Enunina V. MANGIO会頭
からの挨拶

署名式(左からPCCI MANGIO会頭、
行木環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官、OECC竹本理事長)

日本・フィリピン環境技術交流セッション

覚書の目的である日本とフィリピン間の環境ソリューションの活用促進の具体化をさっそく進めるため、署名式に続き日本・フィリピン環境技術交流セッションを開催しました。
本セッションでは、フィリピンの環境課題や技術ニーズに基づき、JPRSI会員の持つ優れた技術の紹介を行うことを目的に、JPRSI会員企業4社に登壇をいただきました。

フィリピンにおける環境課題

PCCIの環境気候委員会からBonar LAURETO氏を招き、フィリピンにおける廃棄物発電等の技術に係る導入機会について以下の3つの視点を中心に発表いただきました 。

1.フィリピンの廃棄物発生状況と課題

フィリピンでは、1日あたり約77,000トンの固形廃棄物が発生しており、産業・家庭からの排水も多く、温室効果ガス排出の一因となっている。25年前に廃棄物管理法が制定されたが、現在でも地方自治体の約30%しか衛生埋立地にアクセスできていない。違法な投棄場が全国に広がっており、資源回収施設の運用も限定的で、廃棄物の分別や処理が十分に行われていない。

2.有望な技術とその適用可能性

・水熱液化技術(HTL):湿潤・乾燥廃棄物を混合して処理でき、分別が困難なフィリピンの現状に適している。燃料油やメチルエステルなどの生成が可能。

・バイオダイジェスター技術:産業排水からバイオガスを生成する技術。既に一部企業で導入されており、さらなる効率化と低コスト化が期待される。

3.技術導入に向けた連携と展望

日本企業による技術提供と、フィリピン企業との連携により、課題解決に向けた実践的な取り組みが可能であり、食品加工、飲料、農業、石油精製などの分野で廃棄物発電技術の導入余地がある。

OECCとPCCIの協力により、技術移転や共同資金調達の仕組みを構築し、全国的な課題に対応していくことが目標。

フィリピンにおける廃棄物管理に係る課題の共有:PCCI環境気候委員会Bonar Laureto氏

JPRSI会員企業による技術紹介と質疑応答

フィリピンのニーズや期待に応える形で、JPRSI会員企業4社が各社の持つ環境技術を紹介しました。発表後はPCCI代表団からの質問やコメント、さらにはオンラインで参加していたPCCI環境気候委員会のメンバーからも技術に関する細かい質問が飛び交い、今後の技術交流につながるセッションとなりました。

<JPRSI登壇企業一覧>

(株)BIOTECHWORKS-H2 仁谷美喜(取締役)
AC Biode(株) 久保直嗣(代表取締役社長)
(株)日水コン 姉崎正幸(インフラマネジメント本部シニアパートナー)
カナデビア(株) 相田 伸(環境事業本部環境海外営業部担当部長)

JPRSI会員企業4社の発表

活発な質疑応答の様子

本覚書の締結及び技術交流セッションを通じて、環境ウィークで築かれたPCCIとの協力関係をさらに発展させ、連携を正式なものとして前進させる重要な一歩を踏み出すことができました。PCCIとJPRSIの継続的な協力を通じて、フィリピンの環境ニーズと日本の技術的な解決策をつなぐ架け橋が築かれ、ビジネスの発展と環境保護の両面で新たな機会創出を目指します。今後は、PCCIを通じて、フィリピンにおける環境技術ニーズを把握し、各種セミナーやビジネスマッチングを行う予定です。


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Bonar LAURETO氏には第2回日本・フィリピン環境ウィーク 気候変動緩和/JCMセッションでもご登壇いただきました。
環境ウィークプログラム詳細:https://jprsi.go.jp/ew2025ph/en/event